レジリエンスとは?定義、メリット、5つの高め方を徹底解説

  • 2020.9.24
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

なにかとストレスの多い現代社会。職場では日々業務や人間関係など精神的に迷ってしまうことも多々あるかもしれません。そこでいま身につけたい力がレジリエンスです。

ここではレジリエンスの元の意味、心理学的な意味、レジリエンスの高め方や必要な理由について説明します。

ぜひ新人教育や日々のチェックに役立ててみてください!

目次【本記事の内容】

1.レジリエンスとは何か
1-1.「レジリエンス」の本来の意味
1-2.「レジリエンス」の心理学的な意味や定義
2.レジリエンスと類義語との違い
2-1.レジリエンスとストレス耐性
2-2.レジリエンスとハーディネス
3.レジリエンスを高める効果
4.レジリエンスが必要な3つの理由
4-1.リーダーシップ能力
4-2.キャリア自立力
4-3.ストレス対処力
5.レジリエンスを鍛える3つのポイント
5-1.レジリエンス資源を増やす
5-2.自尊感情を向上させる
5-3.自己効力感を向上させる
6.まとめ

レジリエンスとは何か

■「レジリエンス」の本来の意味

レジリエンスとは「resilience」という英単語から意味を取って使われています。
もともとの意味は「弾力」や「弾性」といった物理学の世界で使われるものでした。
バランスボールやバネをイメージしてみてください。圧力が加わっても元通りになるはずです。
この元に戻る力が「レジリエンス」です。

■「レジリエンス」の心理学的な意味や定義

心理学におけるレジリエンスとは、困難や脅威に直面している状況に対して、「うまく適応しながら成長する能力」を意味する言葉のこと。
全米心理学会によると、

逆境や困難、強いストレスに直面したときに適応する精神力と心理的プロセス

と定義されており、竹のように曲がってもすぐ戻る【回復力】、テニスボールのように凹んでも跳ね返すという【緩衝力】新たな厳しい環境化でもやっていける【適応力】などを指しています。

レジリエンスと類義語との違い

■レジリエンスとストレス耐性

レジリエンスに似た言葉として「ストレス耐性」という言葉がよく挙げられます。
圧を跳ね返すという意味の「レジリエンス」と、その圧力を意味する「ストレス」は近しい関係性にあり、混同してしまうことが多いのも当然のことです。
ですが、ストレス耐性とはストレスを感じた個人がそのストレスに肉体・精神・心理的に耐えることが出来る程度を表したもの。ストレスを溜める事が出来る「入れ物」のことです。

ストレス耐性はレジリエンスを構成する要素の1つなので、ストレス耐性を高めることはレジリエンスを高めることにも繋がります。
レジリエンスとストレス耐性は密接につながってはいますが、レジリエンスがストレス耐性を包含する概念であるということをハッキリとご認識ください。

■レジリエンスとハーディネス

ハーディネスもまた、レジリエンスに似た概念として語られます。
ですが、ハーディネスとは「ストレスに直面しても傷つかない力」を意味します。

2つの概念は似てはいますが、「傷つきにくい力」と「傷ついたあとの回復力」として実際には区別されます。

レジリエンスを高める効果

この心の回復力でもあるレジリエンスを高めることによる効果はどのようなものがあるでしょうか?
具体的な効果には以下のものがあります。

・集中力やパフォーマンスの向上
・創造的、包括的な問題解決力の向上
・限定されたリソースの有効活用
・周囲に対する効果的な働きかけ
・リスクを特定、対応する能力の向上
・ネガティブな事象への的確な対応
・営業能力の向上
・ストレスへの対応力への向上
・問題行動の減少(児童)

少し書き出しただけでもこれだけあります。
加えてレジリエンスは大人だけでなく子供にも活用でき、子供の問題行動を減少させたという報告もあります。
レジリエンスを高めることで、営業能力や問題解決力といった業績に直結するような力も向上することがわかっています。
みなさんもぜひ高めてみてはいかがですか?

レジリエンスが必要な3つの理由

高めることで様々なメリットがあるレジリエンスですが、なぜ今の時代に必要なのでしょうか?
それに関わる3つの大きな理由を紹介します。

■リーダーシップ能力

1つ目の理由は、リーダーシップ能力を向上させるためです。
近年日本は、グローバル化の波にもまれ、コロナ禍という特殊な状況下で苦境に立たされています。日々変化が生じ、不確実性が高まる中で多くの企業では変化対応力が求められ、先陣を切って走ることの出来る確かなリーダーシップを持った人間の育成が急務とされています。

出典:経済財政白書(2019)

新型コロナウイルス流行という例を筆頭に、世界はVUCAの時代に突入しています。
このような不確実なグローバル環境に対応するためには、英語力やビジネススキルだけでは充分ではなく、失敗や試練に負けないたくましさ、不確実な世界の中でも1つのことを確実につくりあげていく”レジリエンス”が必要不可欠となります。

■キャリア自立力

2つ目の理由は、自らの生き方、働き方に迷う人が多い中で、どうするべきか自ら考える力を養うためです。

グローバル化、サービス経済化、ネットワーク社会化など個人を取り巻く環境は過去に類を見ないほど激変しています。こうした複雑性、不確実性の高い状況では、長期のキャリア展望を描くことが極めて困難になります。
だからこそ、自分の考えたようにはことがらを進めることができないような困難に出会った場合でも、現実的かつ合理的に、しかし楽観的に物事を捉え、自分の仕事やキャリアを投げ出すことなくたくましさを持って逆境を乗り越える。
そして、つらく痛い体験から価値ある何かを学び、そのたびに成長する力「キャリアレジリエンス」が求められています。

■ストレス対処力

3つ目の理由は、現代社会において多発するこころの健康の問題に対応するためです。
昨今、職場で受けるストレスや多忙が原因で精神が疲労している人が増えています。とくにうつ病は社会問題となっており、職場でのうつ病は深刻です。

メンタルヘルスを原因とするビジネスパーソンへの影響は、労働日数の損失は年間2億日超(※1)、従業員の生産性の損失は168億ドル(※2)、メンタル疾患休職者一人あたりの損失は年収の約3倍(※3)に上ると言われています。

WHOも「2030年までにうつ病が世界の主要な疾病負荷になる」(現時点でも3番目、全体の4.3%)と予測しており、企業における損失やリスクの観点からも看過できない経営課題のひとつになっています。
長く健康的にイキイキと働き続けるためにも、早いうちからレジリエンスを高めることが大切になります。

次章ではレジリエンスの高めをいくつか紹介しますが、今日から取り組める内容なのでこの記事を読んだみなさんもぜひ取り組んでみてください。

※1:勝倉・伊藤・根健・金築  (2009). マインドフルネストレーニングが大学生の抑うつ傾向に及ぼす効果 行動療法研究,35(1),41-52.
※2:Hertz RP, Baker CL. “The impact of mental disorders on work. Pfizer Outcomes Research.” Publication No P0002981. Pfizer (2002)
※3:https://www.the-melon.com/company_program/

レジリエンスを高める3つのポイント

レジリエンスは先天的な能力ではありません。
つまり、レジリエンスは後天的に身につけ鍛えることが出来ます。

■レジリエンス資源を増やす

レジリエンスを高めるには、まず「レジリエンス資源」と呼ばれるものを増やすことに始まります。
「レジリエンス資源」とは、主に

・「感情・情動コントロール力」
・「自己効力感」
・「自尊感情」
・「良い人間関係」
・「楽観性」

の5つと言われています。仕事の失敗や職場環境の悪化でこれらの資源が枯渇すると、思い込みに陥りやすくなったり、感情をコントロール出来ません。
この資源が豊富な状態だと、思い込みをコントロールしやすく、感情の落ち込みにも打ち勝つことが出来ます。
5つの資源をバランス良く高める方法を学べる研修などもあるので、ご活用いただいてみてはいかがでしょう?
以下では、5つの中での特に自ら鍛えやすい「自尊感情」と「自己効力感」の鍛え方をご紹介します。

■自尊感情を向上させる

自尊感情(self-esteem)とは、自分自身を価値ある者だと感じる感覚です。簡単に言うと自分自身を好きだと思えること、自分を大切に出来ることです。ときには「自己肯定感」とも訳されることがあります。
自尊感情が低い人の特徴として

・自分に自信がない
・自分や他人を否定的に捉える
・自分をよく責める
・ネガティブ思考

といったものが挙げられます。
自尊感情を高めるにはいくつか方法がありますが、ここでは実践しやすい5つの方法を紹介します。

①他人と比較することをやめる
②よく食べ、よく睡眠を取ること
③継続的に運動をすること
④日常的に小さなことでも自分を褒める
⑤笑顔でいること

①他人と比較することをやめる
スマートフォンが普及し、SNSなどで他人と自分を比較してしまう人が増えているのではないでしょうか。SNSの使用頻度を下げる、思い切って使わなくしてみるといったことも1つの手です。
自分は自分。他人との比較をやめましょう。

②よく食べ、よく睡眠を取ること
よく食べよく眠ることは体にとって大切。肉体の健康は精神の健康にも繋がります。
基本的なことではありますが、小さな積み重ねが違いを生みます。

③継続的に運動をすること
有酸素運動が特にオススメで、ウォーキングやランニングなどが始めやすいのではないでしょうか?
他人とコミュニケーションを取りながら行うこともオススメなので、友達やコミュニティに属して運動してみるのもいいでしょう。

④日常的に小さなことでも自分を褒める
大それたことでなくてもいいのです。日常の中のちょっとしたいいこと、よく出来たことを褒めましょう。
その場ですぐ褒めるのが難しい人は、一日を振り返る日記で自分を褒めることもおすすめです。

⑤笑顔でいること
時に面白くないときでも、笑顔を作って人と接してみる。
こうした笑顔のくせをつけることで自然と自尊感情は高まります。

■自己効力感を向上させる

自己効力感(self-efficacy)とは、「自分なら出来る、きっとうまくいく」と自分の可能性を信じる力の事です。

試験や定期テストをイメージすると分かりやすいかもしれません。
必死に努力した、あるいは人よりも勉強したのに、テストで目標点をとれなかったり不合格になったりした経験が多いと自己効力感は低くなります。「自分は努力してもうまくいかない」と学習してしまうからです。
逆に、努力したときにその人にとって良い結果になった経験が多ければ、「自分はやればできる」と自己効力感は高まる事になります。

また、周りの人が成功しているときは自己の自己効力感も高まり、失敗が続いている場合は「自分も失敗するのでは、、、」と自己肯定感は低くなります。
自己効力感の高め方も多々ありますが、代表的な4つの方法を紹介します。

①達成経験を積む
②自己の長所に注目する
③身近な成功例を参考にする
④健康を保つ

①達成経験を積む
大きくなくて構いません。小さい達成を何個も積んでいくことで、「自分はできない」という思い込みをアンラーニング(反転学習)することができます。
大きな目標を何個も作りすべてが未達成に終わってしまっては逆効果です。
「1か月間で合計10回の腕立て伏せ」そんなレベルでもいいので、小さな達成経験を少しずつ積み重ねていきましょう。

②自己の長所に注目する
人間、生きていると自分の出来ないことや苦手なことに目が向きがちです。
「自分は気が利かない人間だ。他人に何度も迷惑をかけてしまう」と考えるだけでは、どんどん思考がネガティブになっていきます。
そこで、「入社当時よりは出来ることが広がってきた」と出来ている部分に着目して考えるようにします。
このように、ネガティブな思考を頭に残さなければ、自己効力感は自然と高まっていきます。できている部分に気づく機会を増やすために、日記のような形でなにかしらの記録を残すことがおすすめです。

③身近な成功例を参考にする
誰かの成功例を疑似体験して、達成経験を積み自己効力感を高める方法もありますが、その時に偉人や有名人などの話を参考にしがちです。
話の規模や時代があまりにも違いすぎると、自らに落とし込んで考えることが難しくなります。このような場合は、身近な例を探すことが得策です。自らと境遇や能力、立場が似ていた例から探していきましょう。

④健康を保つ
一番手っ取り早い方法が健康を保つことです。これには二段階あり、①健康”状態”を作る②健康”習慣”を作る の2つです。自己効力感にとって睡眠不足や偏った食事などはもってのほかです。生活の中で乱れている部分に目を向け改善することから始めましょう。
その後は、健康を保つ習慣づくりです。筋トレやストレッチなど、身近なことから初めて見ると続けやすいかもしれません。ポイントは毎日続けること。毎日続けることで自己効力感は高まっていきます。

まとめ

レジリエンスは現代の社会で特に求められる力です。
「復元力」「回復力」とも訳されるこの力は先天的なものでは決してありません。自らの努力で高めることが出来ます。
ぜひ皆さんも自尊感情と、自己効力感を高めながら、レジリエンスを意識して生活してみてください。

企業においても、組織にとっていちばん大切な「人材」を育成する際にも、ぜひレジリエンスを意識してみてください。あらゆる環境、問題に対応できるような人材を育成するためレジリエンス強化の研修やトレーニングを活用すると良いでしょう。

画像3

関連記事

ピックアップ記事

  1. 2020.10.14

    保護中: 【オンライン開催】ポジティブ心理学 ●月〇日()15:00~17:00

    このコンテンツはパスワードで保護されています。閲覧するには以下にパスワードを入力してください。
  2. 2020.10.9

    【オンライン開催】社内研修をオンライン化する方法 ~入門編~ ①11月11日(水)11:00~12:00 ②11月12日(木)13:00~14:00

    参加者全員に研修オンライン化 虎の巻 プレゼント!・今までの既存研修の内容的にオンライン化できな...
  3. 2020.10.2

    保護中: 採用担当者のための”企画脳”トレーニング講座~人気TV番組『逃走中』などを企画した高瀬敦也氏監修! ※オンライン開催 12月2日(水)、12月8日(火) 、12月10日(木) 19:00~21:00

    このコンテンツはパスワードで保護されています。閲覧するには以下にパスワードを入力してください。