
「ストレングスファインダーとは何か?」「分析してわかった強みをどう活かせばいいのか?」
そんな疑問に答える「ストレングスファインダーを使ってオンラインで生産性の高いコミュニケーションを取る方法」を、2020年8月19日(水)に開催いたしました。
今回はそのセミナーの様子をお届けします。
登壇者:佐々木 拓哉
・株式会社ヒューマンブリッジ代表取締役
・一般社団法人日本エンゲージメント協会 代表理事
・米Gallup認定ストレングスコーチ
・組織レジリエンス認定トレーナー
・ポジティブ心理学プラクティショナー
・2009年に株式会社ヒューマンブリッジを設立
⇛採用・教育・評価制度等の人事コンサルティングや研修講師に従事
・2011年にJPPA(日本ポジティブ心理学協会)の立ち上げに参画、事務局長・法人普及リーダーを務め、レジリエンスやポジティブ心理学の組織応用を促進
目次【本セミナーの内容】
1.セミナー概要
2.CSとは?
2-1.CliftonStrengths(ストレングスファインダーとは)2-2.強みとは?
2-3.強みを活かすとどうなるか
3.強みを活かす基本サイクル
3-1.Name it! (見極める!)
3-2.Claim it!(明確にする!)
3-3.Aim it!(狙う!)
4.クロージング
5.まとめ
セミナー概要
今回のセミナーはコロナ禍ということもあり、オンラインで実施いたしました。
弊社代表の佐々木からセミナーの趣旨説明や簡単なアイスブレイクを行った後、
本編では、ストレングスファインダーや才能について佐々木からのレクチャー、実際にストレングスファインダーで見つけることが出来た資質や才能を元に行う個人・グループワークの2部構成で行われました。
CSとは?
■Clifton Strengths(ストレングスファインダーとは)
ストレングスファインダーとは、仕事で成果を出している人の共通項を探るため、ギャラップ社が200万人にインタビュー調査したことが起源です。
その結果、34個の思考・感情・行動のパターン(才能・資質)が成功に関わっていることを発見。心理学やメタ分析を活用しながら、個人の強みを構成している才能を見つけることが出来るように開発されたのがストレングスファインダーです。
■強みとは?
次は、ストレングスファインダーを語る上でよく出てくる「強み」についての解説です。
強みとは、才能・スキル・知識の3要素で構成されていて、特定の活動(ex:営業)において一貫してほぼ完璧な成果を生み出す力のことです。その中でも才能は、無意識的に繰り返し現れる思考・行動・感情のパターンを指し、何かを生み出す力を持つ源泉といえます。
つまり、ストレングスファインダーで見つけることができる才能は、個人の強みの源泉であり、さらに狭義の強みを指しています。この才能を活かしきれないと強みがうまく発揮できない、スキルや知識の習得に時間がかかるといった事もわかっています。
強みを鍛える時にこの才能の影響が大きいため、才能自体が強みとして語られることもあります。実はこの才能、15歳までにだいたい決まると言われています。
赤く囲んだ部分に注目してください。
生まれて数年ほどまでは神経細胞が複雑に絡み合っていますが、15歳以上では使われる回路のパターンがある程度固定的になり神経回路の取捨選択が行われます。そのため、元から利用頻度が高い回路がより利用されるようになるため才能も15歳以降では変化しにくくなります。
上記の強みをベースにした人材育成の代表的書籍の一覧が次になります。ぜひ興味がある方は参考にしてみてください!
■強みを活かすとどうなるか
実は強みに着目して仕事や生活に活かすとこんなにいいことがあります!
・ストレスを感じにくく疲れにくい
・目標を達成しやすくなる
・生命力やエネルギーが高まる
まだまだありますが、これだけ見てもスゴイですよね!
具体的に数字を出すと、これほど違いがあります。
驚きの結果です。
個人で見てもこれだけの違いがあるということは、会社単位になると、、、想像できないぐらいの差になりますね。
ここからは、企業のマネージャーポジションの方、必見です。
普段、部下とのコミュニケーションは取れていますか?どういった部分に着目して指導していますか?
グラフの青い部分に注目してください。
もしマネージャーが部下の強みにフォーカスした場合は、そうでない時に比べて6割近くエンゲージメントが高まるのです!(エンゲージメントは自発的な貢献意欲のことであり、会社に対する思い入れを指します)
部下の弱みにフォーカスしてもエンゲージメントは増えていますが、緑色の「全くエンゲージしていない」という層に注目してください。
この層が多ければ多いほどに、赤色の「エンゲージしていない」層を緑色に塗り替えてしまうことがわかっています。このまま放置すると、どんどん「全くエンゲージしない」人間が増えてしまうのです。
一方で、青い「エンゲージしている」層は赤の層のエンゲージメント向上を促進する傾向があるため、ストレングスファインダーを適切に活用して、「エンゲージしている」層を増やすことが重要です。
それにしても、強みを活かすだけでここまでの違いが出るとは驚きです。
このあとのパートは、強みの活かし方についての基本となるサイクルについて、ブレークアウトルームを使ったグループワークを行いました。
強みを活かす基本サイクル
こちらのサイクルは、コーチングや1on1の効果を最大化させる事ができるので、そのようなことに取り組まれている方は、ぜひここから先の知識を活用して見てください!
強みを活かすサイクルについてのご紹介です。
強みを活かす基本サイクルには上記の3点があります。
まず「見極める」 こちらは、自分が持っている資質を理解するフェーズです。いつもこんな考え方してるなぁ、こんな行動をしてるなぁと気づきを得る段階です。
次は「明確にする」 こちらは、自分の資質を腹に落とすフェーズ。過去のうまく行った体験などから資質との関連を抽出し、自分だけの資質の使い方を言語化するなどの方法を通して自分に落とし込む段階になります。
次が、「狙う」 これは、自分の才能をどう使えばいいのか考えるフェーズです。併せて高めていけばいい知識やスキルを考え、今後のアクションプランを決める段階でもあります。1度考えるだけではなく、1か月間に1回はこのサイクルを回すぐらいに何回も循環させていくことで効果が出てきます。
ここからは、実際にグループワークを通じてそれぞれ「見極める」「明確にする」「狙う」への理解を高めていきます。
Name it! (見極める!)
ここからは、ストレングスファインダーで見つけた資質を活かしたワークになります。まだの方はぜひ1度ストレングスファインダーをお試しください!
まず取り組んだワークはこちらです。
この記事をご覧の皆さんも是非ご一緒に、Q1.2に当てはまるものをノートに書き出してみてください。また、Q1.2で出てきた資質を表すようなエピソードも含めて考えてみてください。
今回のイベントでは、エピソードを全体に共有しながら個人が気が付かないような資質同士の組み合わせまで意見を交換しました。
この理解を深める段階ではセミナーからの一部抜粋になりますが、以下の質問も深堀りに最適なのでお試しください!
・CSのレポートを読んだ時の第一印象はどうでしたか?
・過去に資質を活用したと思うエピソードを教えて下さい
・資質は過去の成功にどのように役に立ちましたか?
・説明文章のうち自分に当てはまらない部分は?
Claim it!(明確にする!)
次は資質を腹に落とす、価値を感じるという段階まで落とし込むワークになります。取り組んでいただいたワークはこちらです。
こちらを考えてみてください。
もし、成功という言葉が強すぎてイメージがわかないという方は、なんとなくポジティブな日だったとか、自分にとっていい日だった経験や過去を思い出してみてください。こちらも深堀り用の追加質問を載せておきます。
・CSの結果は、自分についてのどのような新しい洞察がある?
・担当の仕事を成し遂げる上でどのように役立っていますか?
・どのような活動に魅力を感じる?不満や疲れを感じる活動は?
・よく出てくる資質の組み合わせパターンや共通項は?
一番下の共通項を深ぼることはかなり重要です!
過去の経験から共通項を探すことができると、次の行動に過去の経験からどのようなことが活かせるか、などアイデアが自然と出てくるようになるのでぜひそのレベルまで深めてみてください!
Aim it!(狙う!)
最後は自分の強み、才能をどのように成し遂げたいか考える段階です。取り組んでいただいたワークはこちらです。
・現在直面している最大の課題は?
・最重要タスク5つは?それぞれのタスクと関連のあるTOP5は?
・最大の課題に取り組むために才能をどのように使えますか?
・才能と望んでいるゴールや成果の関連性はどんなところ?
クロージング
最後は、代表の佐々木からストレングスファインダーの正しい使い方と基本原則の説明でクロージングとなりました。
・すべての資質は中立であり、レッテルではない
⇛ストレングスファインダーはちゃんと使わないとただのレッテル貼りになってしまいます。誰かや自分をよりよく理解するためのツールです。
・ポジティブな意識で向き合う
⇛34個の資質はすべて素晴らしいものであり、平等です。
「自分はこの資質を持ってないから、、、」とがっかりするのではなく、自分には他の人と違うユニークなことを自然と行える資質を持っているんだとポジティブに捉えましょう。
自分が持っている素晴らしい資質をどう使っていくのかを考えていくことで、自分だけでなく周囲にも良い影響を与えることが出来ます。
・違いは利点・人はお互いを必要とする
⇛ユニークな資質を持った人同士集まることで強いチームが出来上がります。違いを尊重しましょう。
・人材開発のために使う
⇛採用には使わないようにしてください。
強みとは、知識やスキルを伸ばして高めていくものです。ストレングスファインダーの結果を判断材料にするのは現在・未来に関する様々な可能性をなにも考慮せずに捨ててしまうことと同義となるためあまりおすすめしません。
・1人ひとりのフィルターを理解する
⇛世界の見方は十人十色です。ストレングスファインダーの結果を用いて「この人は世界をこのような資質を基にに見ているのだろう」と他者を理解するために活用してみてください。
まとめ
という訳で、「ストレングスファインダーを使ってオンラインで生産性の高いコミュニケーションを取る方法」についてのご紹介でした。
ストレングスファインダーの活用法をここまで詳しく実践する機会はなかなか無いのではないでしょうか?
弊社では、マインドフルネス体験やリモートワークにちなんだオンラインイベントなども行っております。ぜひ奮ってご参加ください!
また、無料から有料まで、ストレングスファインダー(クリフトン・ストレングス)を活用したワークショップや組織内活性化にお役に立てる事例、サービスにご関心のある方はお気軽に以下よりお問い合わせください。