【人事にまつわる課題】メンタル不調者が多いのはなぜなのか?
アフターコロナ時代の職場のストレス要因とより良い労働環境とは

  • 2022.7.13
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2020年に起こった新型コロナウイルス感染症の拡大により、私たちの社会、仕事の環境を大きく変えることになりました。
自分や家族、その在り方、幸福について、改めて考える切っ掛けとなったのではないでしょうか。

急速に普及したテレワークは業務効率化につながりましたが、同時に新たな問題点やストレスが見えてきました。
コミュニケーションの在り方が大きく変化、または断絶した中での業務は、メンタル不調を訴える従業員も多いのでは。。。と想像します。

メンタル不調者が増え、業務が回らない、低調になるのは企業にとっても、従業員にとっても「不幸」でしかありませんよね。。

メンタル不調者を未然に防ぎ、働きやすい職場、ヘルシーな企業体質へ変換したい!
どのような点を意識しながら、企業体質の変換ができるのか?
今回は、自社の状況理解を深め解決のための参考データのご紹介と働きやすい労働環境についてのポイントをまとめました。

目次

1、ウィズコロナ時代のストレスとは?
2、コロナ禍における従業員のメンタルヘルスの影響調査
3、メンタル不調の調査データ(事業規模別)
4、メンタル不調の多い会社の特徴
5、メンタル対策の労働環境作りのポイント
6、まとめ

1、ウィズコロナ時代のストレスとは? 

 新型コロナウイルスの流行以降、私たちは自分ではコントロールできない大きな変化が多く、心にダメージを受けやすくなっていると言えるでしょう。

そもそもストレスとは、外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態のことです。たとえば、進学や就職、結婚、出産といった喜ばしい出来事でも、変化であり刺激ですから、実はストレスの原因になります。

2、コロナ禍における従業員のメンタルヘルスの影響調査

  出典:公益財団法人日本生産性本部・メンタルヘルス研究所の「メンタルヘルスの取り組み」に関する企業アンケート調査結果

コロナ禍での従業員のメンタルヘルスの影響調査では、「悪化した」と回答のある企業は4割ほど。「コミュニケーションの変化」で悪化している。と認識されている企業が約9割でした。

では、具体的なストレスの要因となっている調査データを見てみましょう。
エン・ジャパン株式会社で実施した「コロナ禍における仕事のストレス調査」ではコロナ禍で、仕事のストレスが増えたと回答された方は、全体で54%です。
職種別で見ていくと「販売・サービス」「医療・福祉」が大幅なストレス増となっており、新型コロナウイルスの影響を受けての状況と伺えます。
逆に仕事のストレスが減った業種「クリエイティブ系」「エンジニア系」はリモートワークなどの働く環境変化が良い方へ作用したようです。

出典:エン・ジャパン株式会社アンケート「コロナ禍における仕事のストレス調査」

また、ストレスの要因を見てみましょう。第1位は「職場の人間関係」でした。

出典:エン・ジャパン株式会社アンケート「コロナ禍における仕事のストレス調査」

出典:公益財団法人日本生産性本部・メンタルヘルス研究所の「メンタルヘルスの取り組み」に関する企業アンケート調査結果

年齢層別のメンタル不調の調査データからは、新型コロナウィルスの流行以降では、30代が再び増加に転じています。

3、メンタル不調の調査データ(事業規模別)

参考:厚生労働省 労働安全衛生調査

厚生労働省の労働安全衛生調査(2020年・実態調査)によると、過去1年間にメンタルヘルス不調を理由に連続1ヵ月以上休業した労働者又は退職した労働者がいた事業所割合は、平均で9.2%です。事業規模別の内訳では、大規模な事業所ほど、休業したり、退職する労働者が居る事業所の比率が高くなっています。
自社の事業規模での不調者の割合を知ることは、どのくらいの深刻度なのか、俯瞰的に客観的に認識できる切っ掛けとなり、より自社に合うメンタルへルスケアの対策が期待できます。

4、メンタル不調の多い会社の特徴

これまでの調査により、メンタル不調の多い会社の特徴が見えてきました。

自社に該当がないか、チェックしてみましょう。

・達成感が不明確。成果や貢献度が見えにくく、仕事に取り組む意義が見出しにくい環境。
・クリエイティブな業務(プログラマー、設計、出版など)
・本人以外に交代できない仕事が多い(休むことができない)職場である。
・業務量が多い。
・納期、ノルマ達成の責務が重い。
・正社員以外(派遣・契約社員)の割合が多い会社。
・給与が公平でない。
・インターネット関連、コールセンター、サポートセンターなどデスクワーク中心の業務。
・月間の残業時間が80時間を越える社員が10%以上
・女性社員の割合が高い会社
・人事総務部、企画管理部門、金融機関の債権回収部門
・休暇体制が未整備で、必要時に休めない。
・相談体制がない、もしくはその場凌ぎで機能していない。

なお、メンタル不調者の所属、配属場所で見ると
・社内的に優秀な管理者(部課長)の部下である
という点です。

また、健康診断結果から見えてくるメンタル不調者の特徴は、
・コレステロールが異常所見者数が全国平均よりもはるかに高い30%超えである。
ということです。

コレステロール値の異常が多い理由は、
・夕食時間が遅い
・外食やコンビニ弁当の割合高い
・睡眠時間が短い
など、複数の産業医から指摘されています。

5、メンタル対策の労働環境作りのポイント

⒈「労働の量」を確認する

 長時間労働者を毎月確認する
 長時間労働者とは、
 週40時間超の時間外・休日労働時間が
   ・月100時間超——-完全にアウト
   ・月80時間超———(2ないしは6ヶ月間の平均で超えた場合)アウト
   ・月45時間超———グレイゾーン (労働基準法違反のレベル)

⒉「労働の質」を把握

 過重労働者面談を実施する
 労働安全衛生法の定めにより、80~100時間超の残業をした労働者については、企業の業種・規模を問わず、医師(一般には産業医)の面談を受けさせなければならないことになっています。

⒊「職場環境」の施設整備

 ・働きやすい職場環境の見直し
 ・施設整備のリニューアル
 など、検討してはいかがでしょう。
 具体的には、
 ・照明をLEDに変えてみる。
 ・トイレを最新の機種に交換し、男女別にリノベしてみる。
 など。

⒋「ストレス」の可視化

 ストレスチェックが義務化され、実施している企業は多いようですが、見える化して、利活用すると次にするべき対策がクリアになります。
 →5分でわかる職場のストレスチェック  https://kokoro.mhlw.go.jp/check/         
 →職業性ストレス簡易調査票(厚生労働省)
 https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/dl/stress-check_j.pdf

⒌ 4つのケアの体制づくり

 まずは、こちらをご覧ください→労働者の心の健康の保持増進のための指針 1 趣旨 
 厚生労働省の定める心の健康づくり計画の実施には、以下の4つのメンタルヘルスケアが継続的かつ計画的に行われるよう、教育研修・情報提供を行うとともに、4つのケアを効果的に推進し、職場環境等の改善、メンタルヘルス不調への対応、職場復帰のための支援等が円滑に行われるようにする必要がある。とあります。

①セルフケア
②ラインによるケア
③事業場内産業保健スタッフ等によるケア
 事業所の規模により、設置要件が変わります。
 ・50名以上・・・・産業医を選任・設置
 ・1,000名以上・・・専属産業医の設置
 ・3,000名以上・・・2名以上の専属産業医の設置
④事業場 外資源によるケア

6、まとめ

メンタル不調には企業の業種、職種、労働環境、個人の生活習慣など様々な要素から成り立ちます。
また対策においては、各々自社の「メンタル不調を未然に防ぐ」→「働きやすい職場」はなんなのか?を見つけることが大事です。単純に制度や施設を改善すれば良いものではなく、そもそも何があれば「働きやすい」と感じられるのか、従業員は何を求めているのかという視点も必要です。

メンタルヘルスケアが機能した企業では
・社員の生産性の向上
・メンタル不調者の未然防止や休職・退職者の減少
など多岐に渡る大きなベネフィットが生まれると期待されています。

 当社では、メンタル耐性チェックのサービスご紹介や、その活用方法についてもご提供可能です。

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